またまた文春オンライン

少しまえですが、また、文春オンラインに歯科業界の記事が出ていました。

3人に1人が不合格 「歯科医師国家試験」が医師国家試験よりも“狭き門”になった事情 経営のため、技術なくインプラントなどに力を入れる歯科医院には要注意

記事中にもある通り

確かに昔は国家試験の全体の合格率は9割前後で受かって当たり前の試験でした。

ただ

私が受験したときの全体の合格率は異例に低く

確か7割くらいだったと思います。

今年は母校の東北大学が合格率2位ということで

うれしく思いますが、去年はもっと低い順位だったので

合格率が何%かというのは、あまり重要でないと思います。


歯科業界の現状を伝えるよい記事だと思いますが

記事中の

『それに、歯学部の偏差値の低さや国試合格率の低さは、患者側からしても心配になります。国試に合格することで一定以上の知識や技術が担保されるとはいえ、歯科医師になってからも知識や技術を磨き続け、高いモラルを保った歯科医療を提供してもらえるのか。』

というところは著者の偏見かなと


個人的には、免許は必須ですが、大学の偏差値なんて、医療の質にはあまり関係ないと思っています。


歯科業界の問題は

そもそも外科なのに

頭と手を一人でこなさないといけないことにある

と思います。

どういうことかというと

診断と手術(虫歯を削るとかも手術です)を一人でしなければいけないということです。


先日、放送が開始されたドラマ『ラジエーションハウス』の第1話にもありましたが

医科であれば、ドラマのように放射線科医など他の医師が診断して、外科医が手術するというのは珍しくないことです。

放射線科医が頭で、外科医が手ということです。


不器用な外科医は怖いですけれど

医師は、そもそもみなさん優秀ですから

手先が器用でなくても、外科医にならなければいいわけで

手術がない診療科を選んで

頭として能力を発揮すればいいわけです。


ところが歯科ではそうはいかなくて

大学病院でもないと、私のように一人で頭も手もこなす必要があります。

診断だけでできる

手術だけできる

ではダメで、両方できる必要があるということです。

ここを分離できるといいと思いますが、現実的ではないです。


一人で頭も手もこなしているが故に

自ら外に出て、他の歯科医師と交流し、学んでいかないと

自分の技量を客観視できなくなってしまいます。

これが問題です。


国家試験は免許を取るための試験ですから

歯科医師免許だって、自動車の免許と同じです。

誰もが最初は初心者マークで

自動車免許以上に、上手にできるように努力が必要だということです。


出身大学の偏差値や、年齢なんて問題ではなく

自分より経験豊富で、技術の優れる先生から

積極的に学ぶという姿勢が大切だと思います。

カテゴリ:インプラント

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