花粉症薬を保険適用外に!?

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健康保険組合連合会が2020年の診療報酬改定に花粉症薬を保険適用外にするよう提起するというニュースが流れました。


600億円の医療費削減の効果があると試算され、花粉症薬は処方薬と市販薬の差が小さい(ほぼ同じ)ので医療費削減のための槍玉にあがったようです。

日本の医療費はもはや年間40兆円を越え、超高齢社会の日本では毎年増え続けています

どこの健康保険組合も財政状況は厳しく、破綻の可能性があるので、増え続ける医療費を少しでも減らそうと苦肉の策のようです。

保険適用外になると、どうなるかというとドラッグストアでおよそ3倍の値段で同様な薬を購入するようにしてくださいということになります。

私は杉並木を擁する栃木ネイティブだからなのか、田んぼや畑の中で育ったからなのか花粉症ではありませんが、同じものを3倍の価格でというと、今までより薬を飲むことを控える方も出るでしょうから、医療費は600億円削減できても、それ以上に花粉症による効率の低下が大きいような気がします。

ちなみに40兆円のうち、歯科は2.1兆円しかありませんし、全体に占めるその割合は下がり続けています。昔は10%を大きく越えていたみたいですが、今や8%ほどです。

薬、つまり調剤の医療費は、なんと8兆円弱、20%近くもあります。歯科よりはるかに大きい市場です。ドラッグストアが調剤を始めるわけです。人件費などにより、どこの病院も赤字経営のなか、調剤医療費はどんどん増えていってます。薬出し過ぎ、頼り過ぎです。歯科で出す薬なんて、抗生剤と鎮痛剤がほとんで、さらに当院は、医療費削減に貢献しようと、必要が無ければジェネリックなので、安いもんです。



それでも、個人的にですが、花粉症薬を保険適用外にというのは間違いだと思います。

理由は、花粉症は発症原因があきらかでないからです。なりたくてなる人はいなくて、苦しんでいるからです。これだけ医療が進歩しても、基本的には人間の体はわからないことだらけで、原因のわからない病気ばかりです。

原因がわからない=防ぎようがない

こういう病気に対して、健康保険を適用して欲しいし、それができる日本は素晴らしい国です。ただ、一方、原因が明らかで、対策が可能な病気もあります。典型的なものが虫歯です。虫歯は本来稀な病気です。世界を見渡すと日本ほど、なんでも保険適用な国は珍しく、虫歯は保険適用外という国はたくさんあります。理由は、原因が明らかで、対策が可能な病気なので、自己責任ということです。

非常に線引きが難しいですが、保険適用外となるのは、原因が明らかで、対策が可能な病気に対してとするべきです。

じゃあ、虫歯は?となりますが、予防してくださいとなるわけです。

そもそも、虫歯の治療は、治っているわけでなく、代替のものを詰めているだけだったりするわけですから、予防するのが1番なのは明らかです。世界中に、定期的に歯科を受診するほうが医療費はかからないというデータがあるわけですから、予防は保険適用外ですし、どこでも同じではないですが、歯科を定期受診してください。

ちょっと真面目な話をすると、このように長文になりますし、まだまだ書き足りないですがここまでで!

カテゴリ:お口の健康

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